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いよいよ新しいプラットホームの本命がこれから登場してきます。テレビです。今年の12月に2年遅れて地上波のBSデジタル放送が始まります。家庭の中において圧倒的な存在感を持っているテレビにより、インターネット、Eショッピング、また様々なホームページから情報を取り入れる。携帯電話、ゲーム機、テレビ、これらを総称してデジタル家電といいますが、ちょうど今もっとも日本が得意とする分野ではないでしょうか?ソニー、東芝、パナソニック…世界に冠たるデジタル家電メーカーが日本にあるのです。
もし、私がビル・ゲイツであったなら、ソニーを買収します(笑)なぜならビル・ゲイツは、今までパソコンんというプラットホームを抑えていたからキングだったのです。そのプラットホームが新しいデジタル家電に移行するのであれば、そのデジタル家電の一番強いメーカーを自分のものに買収したいというのは、不思議なことではありません。
実は、日本の誇るソニーといえども株の時価総額は7兆円なのです。つまり7兆円あればソニーを買収できるのです。マイクロソフトの株の時価総額は40兆円です。シスコ・システムズは45兆円。数字の上で40兆円企業との対抗戦略を練っていく。日本の企業はそこまで激しく競争している。それだけ技術力は高く評価されている。われわれはそれだけ大きなチャンスをもっているということではないでしょうか。
先ほどのプラットホームの話ですが、このプラットホームという概念は、直接関連のない分野でもどんどん広がっていて経済を変えています。イトーヨーカドーが銀行を作ることをみなさんご存知かと思います。イトーヨーカドーの鈴木敏文さんはある日突然ひらめいたんだそうです。イトーヨーカドーとデニーズとセブンイレブン。彼の企業に毎日1千万人の人たちが買いにきているそうです。
毎日1千万人の人たちが現金決済している。なぜこんなことが起こったのでしょうか。
私は気が付いてみると、ここ半年間、コンビニ以外で買い物をしたことがないんです(笑)。非常に寂しい生活をしているわけなんですが、皆さんも忙しくて夜遅くなったとします。買い物しようとしても開いているのはコンビニしかないんです。百貨店の売上が伸びないといっていますが、私はぜんぜん同情する気になれません(笑)。私が買い物したいと思った時に開いてないのですから。公共料金もコンビニで支払いますし、コンサートのチケットもコンビニ。猫のえさだってコンビニで買います。つまりコンビニが生活のプラットホームになったのです。だからここに1千万人の人がアクセスしてくる。1千万人の人が現金決済をしてくる。現金決済ではなく、口座決済にしたならば、お互いにメリットがある。
例えば1千万人が5万円預けたらどうなるか。資金量5千億円の銀行ができてしまいます。5千億といえば大型の信用金庫です。もし1人10万円預けたならば、1兆円バンクになる。だからその後をおいかけるように、別の銀行が別のコンビニと組んでATMを置いて、いろいろな戦略が起こってきた。
みなさんの回りにも様々のことが起こってきました。ガソリンスタンドというチェーンを、電気屋さんのチェーンをいかにしてプラットホームにできるのか。松下電器は電気屋さんのチェーンを利用して、近い将来ここを介護ビジネスの拠点にしようと発表しました。気が付いてみるとコンビニ以外に有力なプラットホームになる可能性があるにもかかわらず、全く使われていないものも日本にありました。郵便局です。コンビにはセブンイレブンやローソンクラスでも7千店舗です。郵便局は2万店舗を超える。国家の管理の元にあるので全く使われていない。しかし、いつか誰かが使い始めると私は思います。
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