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生きた政治学ノート


―本稿は作新学院大学経営学部「経営学特殊講義T」において、平成13年度前期に講義した内容をもとに、編集しなおしたものである―

船田 はじめ

講義の目的
 講師である船田はじめの21年間の議員活動を振り返り、日本の政治の実態を率直に語り、学生諸君の政治的関心を高めることを目的とする。
 具体的には次のポイントに整理される。
1. 我が国の政治が実際にどう動いているのか、予算や法律の流れを示しながら政府・与党や国会の役割を理解してもらう。
2. 官僚制度や縦割り行政の限界を示すとともに、政治家本来の役割やリーダーシップのあり方を理解してもらう。
3. 審議過程や手続きにを重視する国会の現状を述べ、日本型民主主義の現状と問題点を理解してもらう。
4. 以上のような理解に基づいて、学生諸君には自発的・主体的に政治に関わってもらいたい。

はじめに
いまの日本が直面している課題―
 日本の現状は戦後最も厳しい状況にある。第1はバブル崩壊後の資産デフレによる景気の低迷で、デフレスパイラルがはじまったと見る向きもある。第2は税収の落ち込みと景気対策の乱発による、年間総予算の8倍にも達する670兆の財政赤字。第3は「切れる17才」に象徴される犯罪の低年齢化と凶悪化である。これまで世界の優等生といわれていた日本の社会秩序が、音を立てて崩れはじめた。これらに少子高齢化の影響が追い討ちをかけている。

構造改革の必要性―
 日本を立てなおすには、政治が強力なリーダーシップを発揮して、次のような課題を着実に解決しなければならない。
 企業や銀行の抱える膨大な不良債権を、早期に処理すること。
 歳出構造の見直しや歳出抑制によって赤字国債発行を押さえ、早く健全財政にもどること。
 年金や健康保険制度の見直しを行ない、少子高齢化にも耐えられるよう社会保障制度を改善すること。
 これらの改革は「構造改革」と呼ばれているが、どの改革も国民に痛みを与えるものばかり。例えば企業倒産による失業者の増加や、公共事業の減による建設関連企業の経営困難、年金や健保の給付水準の低下などである。

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