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平成23年2月
1.現状の政治に対する危機感船田 元 一昨年8月、55年ぶりに本格的な政権交代が実現した。戦後の安全保障の確保とめざましい経済成長を実現した自民党政権だが、 国民の多くは長老支配や官僚依存など長期政権の弊害に嫌気を差していた。「政権交代によって現状を打開できるのではないか」 という国民の強い期待感が、民主党に政権を委ねたと言っても過言ではない。 しかし発足以来、一年半も経過した民主党政権には、以下のような諸問題が次から次へと発生し、混乱と迷走を続けている。民主党に 投票した国民の多くが、「こんなはずではなかった」と、期待を失望に置き換えつつある。
一方、野党・自民党も、衆議院選挙敗北のショックから未だに立ち直れず、政権奪還のための明確な青写真が示せないでいる。 また国会審議では「政治とカネ」や政権の失策を追及するに留まり、国民にとって大切な骨太の政策論争が行われてこなかった。 そのため、民主党の支持率が急落しているにもかかわらず、自民党はその受け皿になりえず、残念ながら支持率は低迷したままである。 与野党ともにこのような現状にあるので、多くの国民は政治に対して閉塞感を感じ、失望感すら覚えている。国民の政治離れが心配されるが、 それ以上に、このままの政治状況では、日本そのものが崩壊の道をひた走っていくのではないか、との危機感を我々は強く感じる。 2.我々が目指すべき「新しい政治」とは 多くの国民は、現在の政治の危機的な状況を打開し、わが国の将来を誤りなき方向に力強く牽引していく、「新しい政治」のスタート を強く求めている。いま我々が目指すべき「新しい政治」の理念とは、
このような「新しい政治」を実現していくには、まずいまの自民党が保守政党としての矜持や立ち位置をはっきりと示すべきである。 「保守」とは、国家や国民にとり大切なものを、とことん守りぬくことである。それは国家の安全保障であり、地域社会や家族の絆である。 わが国が世界に誇りうる伝統や文化であり、国民の節度やモラルである。大切なものを守るには、変えるべき制度は大胆に変えるのが真の 「保守」である。 またこれまで、長期政権を担当したノウハウを駆使した安定感のある政権運営や、官僚の力を適切に活用したバランスのよい行政展開は、自民党の得意技であったはずだ。自民党が「新しい政治」を担っていくためには、その良い部分を自信を持って拡大すべきだ。一方、政権のたらいまわしや長老支配といった負のイメージを、きっぱりと取り払うべきである。 我々は自民党の建て直しに、党の内外から叡智と努力を提供することを惜しまない。自民党が本来の保守政党として立ち直ることが出来れば、これに優るものはない。しかしながら昨今の自民党の様子を見るに、政権を失って以来、思い切った反省と改革を怠り、旧態依然の顔ぶれと手法に頼り切っている。今の自民党の姿勢で政権奪還を望むのは「百年河清を待つ」に等しい。 我々は勇気を持って自民党を大改造し、保守勢力の復権を果たし、高い理想に燃えた「新しい政治」を目指さなければならない。それがこの国を救う唯一の道だと考えるからである。しかしながら今後の自民党がそのような使命を果たしえないのだとしたら、保守本流を標榜する、より幅広い、新たな「受け皿」の結集をも視野に入れなければならない。 以上のような将来展望を抱きながら、当面は、この国のかたちをしっかりと描き、世界から信頼される国家として、先進国の一員として元気に生き残っていくために、まず我々は志を同じくする仲間が相集い、本音で語り合い、骨太の意見を闘わせることの出来る場を作っていきたい。 国の将来を憂える多くの国民諸氏の、温かいご理解とご支援を切に願うものである。 3.「新しい政治」の政策の方向 (1)我々は、国際社会から求められる安全保障、経済、金融分野での役割をきちんと果たし、国際社会における日本の地位と価値を維持する。
(2)我々は、「結果の平等」よりも「機会の平等」を保障し、勤労の精神を尊重し、働く者が正しく報われる社会を実現する。
(3)我々は、人生後半の社会保障とともに、「人生前半の社会保障」を重視し、若年世代の教育の機会や雇用機会を確保し、若者に将来の夢を与える。
(4) 我々は、「自助」の精神を大切にし、それで補えぬ部分は「共助」、「公助」を働かせるなどして、国民のモラルや節度を守る。
(5) 我々は、将来世代にツケをまわさぬよう、国と地方の「財政規律」を守りつつ、必要不可欠なときは、効果的で機動的な財政支出を果敢に行う。
(6) 我々は、「給付」やバラマキ政策を重視するのではなく、国民の「給与」が増えることを目指し、デフレ対策を徹底し、明確な成長戦略を示す。
(7) 我々は、「コンクリートから人へ」ではなく、「コンクリートも人も」大切にして、国民の生命財産を守り、生活の改善を図る。
(8)我々は、国の仕事をすべて「コスト」とは考えず、国富を増大させる科学技術や教育などの「投資的経費」に対しては、積極的な資源配分を行う。
(9) 我々は、国や地域社会、家族の絆を守るとともに、国や地域の伝統や文化、国民の節度やモラルなど、目に見えないものもしっかり守る。
(10)我々は、公務員の天下りや特権は許さないが、その優秀な「人財」を活用することにより、国益を重視したバランスの取れた行政を実現する。
4.自民党執行部に対する要望 自民党が唯一の健全な保守政党として、二大政党政治の一翼をしっかりと確保していくため、またわが国が先進国の一員として世界をリードする国であり続けるため、さらには日本から世界に対して「日本の危機」を発信しないため、次の諸点を自民党本部に強力に要請したい。
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