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―21世紀を切り開く船田元の政策― 序に変えて 平成十一年の十月で、私も衆議院議員在職二十周年を迎えた。この間は私にとっても、また日本の戦後政治史においても、激動の時代で、この二十年をいま静かに振り返るとき、激動の政治の第一線に私を送り続けてくれた選挙区支持者の方々をはじめ、親身にご指導・ご教示をいただいた多くの先輩・同僚諸氏に、改めて感謝の気持ちを表したい。 その中でも最大の出来事は、平成五年の自民党分裂劇と自らの離党、そして非自民連立政権への参画である。その後私は、雑誌の対談において、党分裂の原因ともなった選挙制度改革論議が「熱病であった」と発言し、周囲を騒がせたことがある。熱病の中には時間がたてば何事もなかったかのように完治する場合もあるが、一方ではしつこく体内に潜伏して、機会あれば勢いを増す場合もある。私が述べた「熱病」とは、むしろ後者を指すものである。 平成九年自民党に復党してから早くも三年が経過した。戻った理由は、離党前と比べて自民党がよくなったからではない。よくなったところもあれば、依然として改善すべき点も多々ある。ひとたび自民党を外から見たという経験は、それを常に客観的に観察するという能力を与えてくれた。いま私はこれまでの貴重な経験を生かし、自民党を内部から改良・改善していくことを自分自身の使命として強く意識する昨今である。 自律的市民国家の建設を目指して <魅力を失いつつある日本> いま我々は世紀末と同時にミレ二アム(千年紀)の終末を迎えようとしている。この大きな節目に当たって、日本は残念ながら世界の中で急速に魅力を失いつつある。平成五年に自民党を離れる時の「熱病」とは、実はこの予感でもあった。旧来の自民党的手法では、この危機を乗り切ることが出来ないのではないかとの焦燥感が、離党の一因であった。 例えば安全保障の分野では、東西冷戦構造が崩壊して、「一国平和主義」は最早通用しなくなっているが、依然我が国の防衛論議は、その呪縛がかかったままだ。国の財政はどうか。昨今の財政出動に過度に依存した景気対策や、痛みを伴った大胆な社会保障制度改革の先送りが、財政状況を一層悪化させている。 また戦後一貫した、護送船団方式という産業政策のツケが一挙に噴出して、日本経済は予想以上に下ブレしている。そして国政の基本ともいえる教育。明治以来高いパフォーマンスを続け、諸外国を驚嘆させたこの分野ですら、不登校児や学級崩壊の増加という深刻な事態を迎えている。 <国家戦略なき日本> では、なぜこのように魅力のない日本になってしまったのか。 第一は、グローバルな変化に日本が明らかについて行けなくなっているからだ。日本の政治の特徴は、従来から調整型である。変化の乏しい時にはそれでもいいが、変化の激しい時は通用しない。いまこそ迅速で戦略的な意思決定が不可欠であるのに、いまの日本にはそれが出来ない。 第二は、日本人としてのアイデンティティやコア・コンピタンス(核となる能力) を大事にしないからだ。日本固有の伝統や文化、豊かな自然環境を保存しようとの意識がまだ希薄である。さらに日本の「お家芸」である科学技術や情報通信などを、生き残りの戦略として活用していく考え方も、いまの政治には少ない。 国家運営に戦略的視点を失わせたのは、政策立案を官僚任せにしたからである。「省益あって国益なし」と言われるように、彼らは自分の省庁の生き残りを最優先する。それが官僚の性である。そこからは思い切った予算措置や省庁の壁を越える発想は生まれてこない。そのような官僚の性を知りつつ、官僚任せにして、緊張状態を強いる政策決定の場から逃避してきた政治家の責任は極めて大きい。 政治家のもうひとつの責任は、「改革」の先にある、「あるべき日本の姿」をきちんと国民に示していないことである。その結果、数度にわたる改革の試みは、常に小手先で表面的な「制度改革」に留まり、本質的な改革は先送りされてきた。変わるべきは行政の制度でも選挙制度でも、教育制度でもない。そこに生きる日本人一人ひとりの意識そのものであり、その結果としての魅力ある日本の姿である。 <魅力ある国家―自律的市民国家> では、魅力ある国家とはどういうことか。端的に言えば、その国に住む人々が、自分の子供をそこで産み、育てたいと思える国ではないか。魅力を失いつつある日本ではいま、優秀な学生や研究者がどんどん海外に出てしまう。戦後「頭脳流出」が話題となったが、今またその第二のピークを迎えようとしている。有能な経営者の中にも、魅力のない日本を捨てて、海外に生活の拠点を動かしたケースは枚挙に暇がない。 私はここで、日本を魅力ある国家として再生させるキーワードとして、「自律的市民国家」を提起し、その実現に全力を尽くしたい。 自律的市民国家とは端的に言うと、市民が国や自治体に対して過度に依存しない社会であり、その意味で「小さな政府」である。そこでは国家による規制は極力排除され、市場原理に基づいた、自由競争を基本とした経済活動が展開されている。また徹底した自己責任原則のもとで、人々の個性や多様な価値観が最大限尊重されている。さらには民間の活力を有効に使い、地域コミュニティがつくられていくような国家である。このような自律的市民国家を建設していくには、具体的に次に述べる五つの政策の柱を実行すべきと考える。 (1)独立国家としての責務を果たしていく、「自律的外交と責任ある安全保障」 (2)社会の変化やニーズに機動的に対応していく、「しなやかな経済構造改革」 (3)未来にこれ以上ツケをまわさない、「将来世代を大切にする財政構造改革」 (4)人々の多様な個性や才能を大事にする、「自主性を重視する人財教育」 (5)戦略的に政策を遂行できるための、「生き残りをかけた行政改革」 また、これらを実行する際に活用すべきツールとしては、次のものが考えられる。 (1)インターネットなどの高度情報通信ネットワーク (2)ボランティア活動など、市民を中心としたNPOのパワーと経済力 (3)女性や高齢者が持つソフトな生産力 (4)質の高い情報公開に基づく適切な政策評価 (5)知的財産権の確立とその活用 これらは日本ではまだ目新しいツールだが、今後自律的市民国家を建設する際は、定着させるべきツールである。 以下では五つの政策の柱を、より具体的に説明していきたい。 <自律的外交と責任ある安全保障> 戦後五十年の国会決議は大変中途半端であった。 一方では過去の戦争への反省を強調するあまり、日本の国際的責務を回避しようとする流れ。他方ではその責務を強く意識して、反省に立った歴史認識を軽視する流れがあって、相互にぶつかりあったからだ。しかし真に国際的な責任を果たす国家として、諸外国からの信頼を勝ち得るためには、「反省」と「責任」をきちんと区分けし調和させていく、自律的外交と責任ある安保を確立すべきである。 (1)責任ある安全保障体制 先般の日米安保条約ガイドラインの改定は、周辺事態における日米安保体制をより実効あらしめるためであった。今後は日米安保体制を基軸として、日本有事にもきちんと対応できるよう、遅れている国内法の整備を早急に行う。周辺地域の安保情報を的確・迅速に捉えるため、 国産の情報収集衛星を早期に導入するほか、TMD構想にも積極的に参画する。 また災害か紛争かを問わず、あらゆる危機に対して迅速に対応できる危機管理マニュアルを確立し、随時訓練を実施する。 在日米軍のプレゼンスについては運用・装備の効率化や自衛隊との共用化により、当面はその兵力水準を維持しつつ、量的縮小を段階的に行う。沖縄に偏っている在日米軍基地の問題は、国民のコンセンサスを得ながら、日本全体で解決していく。 (2)国連中心外交 国連改革の動きの中で、早期に国連安保理・常任理事国入りを実現し、国連の各種平和維持活動や、国連を中心とした通常兵器の移転管理など、軍縮や信頼醸成のための諸活動に積極的な役割を担う。 (3)戦略的ODA 日本のODAは世界で一、二位を競うほど量的充実を果たした。しかし被援助国が環境や軍縮、人権尊重など、国際社会の普遍的な価値を増加させているか否かのチェックが甘かった。国別援助方針を明確化し、数年前に策定した「ODA大綱」が、被援助国で満たされているかどうかを厳しくチェックして、その国の自律的発展を促すとともに、予防外交の手段として有効に利用できる、「戦略的ODA」を目指す。 なお今後の援助方針においては、被援助国の自助努力を促す観点から、無償資金協力よりも円借款の比率を高めるべきである。 (4)現実的な憲法改正 安全保障上の問題において、これ以上解釈改憲を重ねていくことは、かえって平和憲法の理念を形骸化しかねず、海外からの不信を買うことは必至だ。また安保問題に限らず、例えば環境権の創設や公共の福祉の優先、表現の自由とプライバシー保護とのバランスなど、現行憲法の問題点を幅広く議論して、いまを生きる日本人の手によって、身近な憲法に作り変えるべきだ。 <しなやかな経済構造改革> 戦後政治は「右肩上がり経済」、即ち全体のパイが常に拡大することを利用して、社会の様々な歪みを解消し、満足度を増してきた。しかし今や「右肩上がり」の神話は脆くも崩れ、従来の政治手法が通用しなくなった。戦後日本の社会・政治システムを早急に見直し、低成長はおろか、例え「右肩下がり経済」の下でも、国民が従来同様の活力と高い満足感が持てるよう、経済構造の根本を変えていく。また文化創造・環境保全・ボランティア活動、そして生涯学習といった、多様な価値観を重視した政治に転換していく。 (1)重要インフラの整備 長いこと公共事業費は、分野別シェアをほとんど変えてこなかった。このことが公共事業のばら撒きなど、批判を浴びる原因でもあった。今後は思い切った配分見直しを行い、ハブ空港やリニア新幹線、情報スーパーハイウエイなど、国際競争に生き残るための、重要インフラ整備を積極的に進めるべきである。またその際、民間のコスト意識や経営能力を活用したPFIの手法を導入する。 (2)供給サイドから消費者サイドの経済へ 日本の経済は、いまだに供給サイド重視が続いている。デジタル・ネットワークによって供給サイドと消費者サイドを直結させるという、サプライ・チェーン・マネージメントを導入して、消費者サイドを重視した経済に移行すべきだ。これにより流通や卸、小売といった仲介的業務に大きな変革を及ぼすが、一方では流通効率を最高に上げつつ、顧客のニーズにも最大限フィットすることを可能にし、経済活動の活性化につながる。なおサプライ・チェーン・マネージメントを普及させるには、規制緩和、情報通信技術の改善、通信料金の引き下げ、そして何よりも企業人の供給サイド重視意識を、根底から変える必要がある。 (3)強力なベンチャー支援 いま日本企業は広範なリストラを行っているため、廃業率が高まっている。しかしリストラだけでは経済は失速するし、失業者の受け皿がなくなる。経済の活力を失わないためにも、我々はベンチャー企業のスタート・アップを協力に支援すべきである。具体的にはエンジェル税制を強化したり、人材育成機関への公的援助を強化すべきだ。また特許市場をよりオープンにして、大学内企業の設立を容易にしたり、通信料金の引き下げなど情報通信技術の浸透をバックアップしなければならない。 (4)経済主体としてのNPO活動 欧米で盛んなボランティア活動は、四年前の阪神・淡路大震災を契機に、ようやく日本にも普及し始めた。しかしその法的、財政的基盤は脆弱である。日本が「しなやかな経済構造」に移行していくためには、 NPO法に基づくボランティア団体の法人登録を促進したり、税の優遇措置の導入によって、NPOを一層定着させる必要がある。特に彼らの地域社会を活性化させる機能や、経済活動の主体としての雇用創出効果に注目すべきである。 (5)労働移動の高度化 経済構造が大きく変化するときは、一時的に大量のリストラや失業者が発生する。しかしこれを恐れて構造改革を中途半端にすると、日本の経済競争力はいつまでたっても強化されない。我々が心配すべきは、職を失った人材が新たな雇用先にスムーズに移動できるかどうか。また受け皿がきちんと確保できているかどうかである。そのためには「労働者派遣法」の成立などによって、労働移動を容易にすることや、失業期間ばかりでなく、OJTとしても職業訓練を官民挙げてきめこまかく実施する必要がある。また受け皿作りとして、ベンチャーの育成も肝要である。 <将来世代を大切にする財政構造改革> 昨今の国の財政政策は、経済の立て直しに必死という事情は理解するものの、大量の赤字国債発行を容認し、また年金制度をはじめ各社会保障制度の抜本的改革を先延ばししている。この状況を放置すると、将来世代に多額のツケをまわし、国として不渡りを出しかねない危機的状況になる。我々は当面の景気回復に意を注ぐが、早期に財政構造を健全化させ、将来世代の負担をこれ以上増やさない政策に転換していくべきである。 (1)財政均衡化法の導入 三百兆円を超える国の累積赤字をこれ以上増やさないため、近い将来において、毎年度の財政収支を均衡させることを政府に義務付ける、「国家財政均衡化法(仮称)」を導入する。 (2)思いきった社会保障制度改革 受給者の急速な増加と、現役世代の減少によって、将来の運営が危ぶまれる公的年金制度を立て直すため、給付水準の伸びの抑制や保険料引き上げ等、痛みを伴うが抜本的な改革を行う。安易に国庫からの補助を増やしてはならない。また確定拠出型年金制度など、自己責任に基づく任意の年金制度を育成する。 介護保険制度の導入では、保険者である各市町村の財政状況や取り組みの濃淡によって、保険料や提供サービスの水準に、相当なばらつきが予想される。官民の介護施設への援助を強化するほか、介護サービス提供体制の広域化や再保険制度の導入などにより、全国の水準を整えて、制度の信頼性を高めるべきである。 なお医療・福祉関係費の財源には、長期的に安定して収入が見込まれる消費税の一部を目的税化すべきである。 (3)高齢化対策以上の少子化対策 将来の国の財政事情を好転させるには、未来の納税者を増やすことである。その意味で、日本が今後取り組まなければならない課題は、高齢化対策以上に少子化現象への対応である。そのためには子供をもつ女性の職業進出を容易にするための、職場近接の保育所の整備や、育児休業制度の実質的な浸透が急務である。さらに何よりも、職場における育児への理解と、家庭における育児への「男女共同参画」という意識改革が不可欠である。 <自主性を重視する人財教育> 人は国の宝であり、最も価値のある「財」である。一人ひとりの人間が存分に個性や才能を伸ばし発揮できるか否かが、その国の強さを決めるといってもいい。欧米では三百年かけて普及した公教育が、日本では百年程度で普及した。そのため教科書検定や学習指導要領など、上からの管理による中央集権的な教育が蔓延してしまった。日本が新世紀においても繁栄を続けるためには、このような硬直した教育はやめ、自主性や創造性を重視した教育に転換すべきである。 (1)自主性を重視する教育 教科書検定制度や学習指導要領によるコントロールを出来る限りなくし、地域の人々の援助を基本に据えたチャータースクールや、「中等学校」など六・三・三制にこだわらぬ多様な学校形態を生み出して、子供たちの自主性や創造性を重視した教育を行う。 (2)実体験を生かした教育 いまの教育現場には、子供たちが自然環境や社会の人々と直接触れ合う機会が少ない。小学校の「生活科」や中学・高校で新設される「総合的学習の時間」を活用して、実体験によって「生きる力」を育てるほか、異年齢集団による共同作業を通じて、「助け合う」ことの重要さを身につける。 学校カウンセラー制度を重視し、児童・生徒の不登校や問題行動を減少させる。ボランティア活動を学校教育の正科としたり、入試や卒業の条件に加える。 (3)情報化時代を生き抜く教育 これからの高度情報化時代を生き抜く力を身につけさせるため、早い学校段階からの情報教育を実施する。そのため校内LANの整備や図書館のデータベース化を推進して、学校の情報環境を向上させるほか、優秀な教育用ソフトの開発に力を入れる。また文法偏重の英語教育をやめ、実際に「話せる、聞ける」実践的英語能力の養成に重点を置く。 (4)知的資本を生み出す教育 日本は最も習得の遅い学生を、高い熟練度に到達させる教育は得意だが、才能に恵まれた学生を、創造的な人材に育てることは不得手だといわれる。しかし日本の競争力を回復させるには、この不得手な知的資本の育成を重視しなければならない。いわゆる飛び級制度や優れた学生への思い切った財政投資を導入すべきだ。 <生き残りをかけた行政改革> 国・地方を問わず、行政は常に肥大化する法則を持っているため、我々は不断に行政改革を続けなければならない。しかしながら中央省庁の再編という最近の試みは、二十一省庁から一府十二省庁へ役所の数を減らすことにはなったが、公務員の数や政府全体が抱える仕事の量はほとんど減らない。真の行政改革とは、それらを着実に減らすだけではなく、それを通じて行政の行動原理がより戦略的になったり、省庁横断的対応が容易に行われるようになって、国民のために行政がきちんと機能することである。 (1)内閣総理大臣の権限の強化 閣議における総理大臣の権限は、他の大臣とあまり変わらない。また閣議では全閣僚が合意しなければ、何も決まらない。即ち総理大臣のリーダーシップが生かされる状況からは程遠く、迅速な意思決定が出来ないということだ。 今後の日本の戦略的な政策決定のためには、内閣法を改正して、総理大臣の権限を強化するとともに、閣議決定に多数決原理を導入すべきである。また総理大臣のもとに、情報化や科学技術投資、少子化対策など重要テーマごとにタスクフォースを設置し、省庁の枠を超えた法整備や予算配分の重点化を迅速に行うべきである。 (2)国・地方の公務員定数の三割削減 国家公務員や地方公務員を削減することは、最も分かりやすい行革である。定数を減らすことが「お役所仕事」の効率化を促すほか、民間委託を増やすことにもなる。例えば定型的な行政サービスは、出来るだけアウトソーシングすればいいし、NPO活動への思いきった業務委託や、PFI手法による民間の知恵と資金を効果的に導入することが可能になる。 またエージェンシー化については、単に行政効率を高めるのみならず、予算や人員を自由裁量で活用することにより、創造的な業務が展開できる。その意味で、国立大学や研究機関などもエージェンシー化すべきである。なお削減ばかりでなく、省庁横断的なマインドを持ち合わせた役人を増やすため、国家公務員の一括採用と人事交流の活発化により、省益ではなく国益の為に行動する公務員を養成する。 (3)徹底した政策評価の導入 日本ではまだほとんど導入されていない政策評価の手法は、「より安いコストによる、より良い行政サービスの実現」に、極めて効果的である。今後の行政改革のキーワードは、「政策評価」といっても過言ではない。ただし正しい評価とそのフィードバックのためには、行政の情報公開と評価結果を国民に知らせることが不可欠である。 また戦後の日本の行政は、権限の拡大のために、法律や補助金が現状で役立っているか否かを問わず、どんどん積み上げて小回りが効かなくなった。そのため国の補助金や新規の法律は、特別の事情がない限り、スタートしてから十年後に全て見直し、既に効果がないか薄れたものは廃止する、「サンセット方式」を導入すべきである。 (4)真の地方分権の推進 地方分権が叫ばれて久しい。しかしながら予算を伴わぬ中央から地方への権限委譲であったり、地方の受け皿が脆弱なために、真の分権は進んでいない。予算・仕事・人材の三拍子揃った形で移譲されなければ、真の地方分権とは言えない。そのため、全国を三百程度の地域コミュニテイに再編するとともに、道州制を導入して、地方自治体の人材を強化する。また地方の自主財源を強化する。 (5)日本をリニューアルする首都機能移転 平成二年に国会決議された国会等移転プロジェクトは、いよいよ今秋に審議会答申を迎える。首都機能移転は、過去において日本人の人心一新のために使われた伝統的手法だが、混沌が支配する東京の再活性化を促すほか、政治首都(新首都)と経済首都(東京)の競争と交流によって、現代日本をリニューアルすることが出来る。今後十年以内に確実に首都機能移転を実現して、新しい日本の顔である新首都を建設すべきである。 |
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