はじめのマイオピニオン - my opinion -
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オリパラの無事開催を祈る

 あと1ヶ月でいよいよオリンピック東京大会が開会式を迎える。2013年9月7日、アルゼンチンのブエノス・アイレスで行われていたIOC総会の席上で東京開催が決定してから8年、よもやコロナ禍の中で行われることなど、誰一人予想だにしなかった。

 感染の第4波が過ぎ去ったものの、依然として新規感染者は下げ止まっており、東京およびその周辺も蔓延防止重点地区に指定されたままである。感染防止の切り札であるワクチン接種も、遅まきながら立ち上がってきたが、感染力が強いインド型(デルタ株)に入れ替わりつつあり、再拡大の懸念も指摘されている。

 こうした中でのオリパラ開催となるが、なによりも国民の安全・安心が最優先されることは言うまでもない。そのための具体的な対策が五月雨式に発表されつつあるが、選手や関係者、観客がどこまで厳格に守れるかが鍵を握る。

 内外の出場選手はできる限りワクチンを接種したうえで、毎日PCR検査を行い、選手村と競技会場以外には外出しないことがプレーブックに書かれた。外部との接触を極力避けるため、いわゆる「バブル」の中にとどまることを要請している。

 しかし心配なのは、IOC関係者や外国プレスの人々の人数はかなり削減されたが、どこまで行動制限が徹底するか疑問が残ることである。またバブルの中に入らざるを得ない移動バスの運転手やガイド、選手村レストランの調理員やスタッフ、通訳やアテンド役のボランティアの方々など、早めのワクチン接種やPCR検査の実施を優先すべきである。

 観客数は1万人か定員の50%の少ない方に限定する。これは一般のイベントと同様の扱いである。一時、開会式の人数を1万人プラス1万人(IOCやスポンサー関係者で別枠)と特例を設けようとしたが、後者の1万人を極力減らす方向になった。また会場での酒類販売も当初検討されたが、飲食店での酒類販売が厳しく規制されている現状なのに特別扱いするのかと反発が出て、流石に中止することとなった。観客には競技会場への直行と自宅への直帰も促された。

 折角の「スポーツの祭典」だが、以上のような様々な厳しい制約のもとでは「お祭り騒ぎ」とは程遠いし、決して騒いではいけない。寂しさはあるが、とにかくコロナ禍の厳しい中で、これだけの大きな国際的イベントを、何としても日本の威信と名誉にかけて、安全にやり遂げなければならない。また本来のオリンピック精神に基づいた、アスリート・ファーストを実現しなければならない。

[ 2021.06.28 ]