はじめのマイオピニオン - my opinion -
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デジタル・プラットフォーマーとの付き合い方

 最近耳にする言葉にGAFAというのがある。Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字を取った造語だが、いずれもウェブ上で様々な仕事を処理し、多くの人々をネットワークによって繋いでいる会社だ。彼らの独占的地位のお陰で、様々な基準が創り出されていることから、デジタル・プラットフォーマーとも呼ばれている。

 SNSという手法を駆使して、地図情報、検索エンジン、会員制の情報交流、ネットショッピングなど、新しいビジネスモデルを次々と生み出している。私たちは彼らの働きによって、これまでになかった様々な利便を享受することができる。彼らにお世話にならない日が一日もないと言っても言い過ぎではない。

 しかし最近GAFAのビヘイビアについて、幾つかの問題点も指摘されるようになった。彼らが獲得した個人に関する情報が、獲得した際の目的以外に、しかも本人の同意なしに利用されているのではないかとか、他に情報を流しているのではないかとの懸念が指摘されている。個人情報の保護という観点である。

 次に、彼らが稼いでいる場所はあらゆるところだが、本社機能が存在するところでしか税の把握ができないことだ。利益を生み出している場所と税を納めている場所がかけ離れていれば、とりわけ海や国境を超えてしまっていると、税金の偏在や歪みが生じてしまう。

 さらにネットショッピングなどにおいて希望した商品が届かなかったり、その品質や機能が期待したレベルではなかったというような、消費者被害が発生する危険性がある。Facebookでは「リブラ」という独自の仮想通貨が検討されており、中央銀行がコントロール出来ない通貨がまた増えることにもつながる。

 これらの問題に対応していくには、公正取引委員会、個人情報保護委員会、金融庁、国税庁、消費者庁、総務省、経産省など数多くの役所が絡んでくる。しかもそれぞれが密接に関連している問題だけに、縦割りの対応ではうまくいかない。そこで政府としては昨年来検討会を重ねてきた。自民党政務調査会としても、関連する部会や調査会の合同会議を、意識的に開いていかなければならない。

[ 2019.09.09 ]