はじめのマイオピニオン - my opinion -
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北朝鮮の暴発を防げ

 北朝鮮をめぐる環境がにわかに緊迫してきた。4月15日は「太陽節」という建国の父・金日成主席の105年目の生誕記念日、4月25日は「建軍節」という、かつて満州で金日成が抗日遊撃隊組織した日で、いわゆる朝鮮人民軍の記念日である。北朝鮮はこれまでも国家的記念日に核実験やミサイル発射、言葉による攻撃など、緊張のレベルを高めてきたが、今回もミサイル発射は失敗したようだが、核実験の可能性は残っていると思われる。

 一方トランプ大統領は、シリア政府軍が反政府勢力の支配地域に化学兵器を使用したとして、政府軍の空港をトマホークで爆撃した。問題のある国がよからぬことを行った制裁として、軍事行動も選択肢の一つだとアピールした。今のところこの制裁は限定的だが、北朝鮮の行動を牽制する意味も、当然含まれていると思われる。

 挑発的行動を続けている北朝鮮に対して、アメリカのティラーソン国務長官は「あらゆる選択肢を排除しない」として、軍事行動の可能性も示唆しつつ、「日本を100%守る」との心強いメッセージを発している。原子力空母カール・ビンソンの朝鮮半島近くへの配置表明もその具体策の一つだ。オバマ大統領時代の「戦略的忍耐」は誤りであり、その修正が不可欠であるというスタンスだ。我が国の安全にとって、大変頼もしいことだ。

 これに呼応する形で我が国の政権幹部からは、「仮に半島で軍事衝突が起きた際は、韓国の在留邦人の避難に自衛隊使うこともあり得る」とか、「北朝鮮はミサイルにサリンを搭載する能力を持っている」など、あくまで仮定の議論としつつも、具体的な情報が国会の場などで発せられている。万が一の事態に適切、迅速に対処することは、国民の安全確保に極めて重要だが、この種の情報が説明抜きで発せられると一人歩きしかねない。

 折も折、宮城県大崎市では、武力攻撃や災害発生の危険性を住民に知らせるJアラートで、「ミサイル着弾の恐れあり」との誤報が流れてしまった。これは単なるミスだが、国民に必要以上の警戒感や恐怖を与えることは、出来るだけ避けなければならない。

 さらにお隣の韓国では、一朝事があれば戦禍に晒される危険が極めて大きく、大変神経質になっている。こうした中、日本側からの危機感を煽るような発言に対しては、韓国世論は歓迎していない状況が読み取れる。慰安婦問題はさて置き、安全保障分野での摩擦は最小限にしておく必要があると思われる。

 大切なことは、安全保障は冷静に事実をきちんと知らせること。仮定の議論は実務的にはきちんと対応すべきだが、殊更に公表することは慎重であるべきである。そして何よりも、軍事行動に至らぬよう、最大限の外交交渉をやり尽くすことが求められる。

[ 2017.04.24 ]