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衆議院・憲法調査会における発言要旨

2000年5月11日
衆議院議員 船田 元

 前回の自由討議で私は、現行憲法が押し付けであるかそうでないかが問題ではなく、私たちの現在の生活にそぐわない部分があれば、また修正することによってより我々の生活に役立つのであれば、早期に改正すべきであること。また新憲法制定というよりは、部分修正で行なうべきことを述べました。
 また具体的な修正点としては、前文を換えて日本国籍のある憲法にすべきこと、集団的安全保障を明記すること、環境権を追加すること、緊急事態対処の条項を追加すること、そして憲法改正手続きを柔軟にすることを列挙しました。
 今回補足したいことは、まず第9条の改正の方向についてです。同僚議員の中には個別的自衛権や集団的安全保障、さらには集団的自衛権まで憲法の認めるところとすべきだとの意見がありました。私は集団的安全保障までは認められるべきとの考えですが、集団的自衛権まで認めるのは、時期尚早と考えます。
 また前者の場合、9条1項を残して2項を削除すれば、それらの目的が達成されるとしていますが、それはまっさらな状態では理論的に正しいと思います。 しかしこれまで安全保障に関しての様々な議論が国会内外で展開されてきた経緯を考えると、私は2項にはきちんと個別的自衛権、 集団的安全保障が認められることを書きこむべきだと思います。
 次に我が国の国際社会での活動をより分かりやすくするためにも、また国際競争力を維持していくためにも、非常事態における対応に限らず、日常から総理大臣のリーダーシップを飛躍的に強化すべきと考えます。そのためには現在の総理の権限を若干修正しても根本的な解決にはならず、首相公選制を導入して、現在の議院内閣制から大統領制に近い政体を目指すべきだと思います。

 次に国会の構成については、今後とも2院制を守るべきだと思いますが、現在は本来期待されていたダブルチェック機能が有効に作用しているとは言いがたいと思います。衆議院を民意の適切な反映を目指すとした場合、参議院は専門的意見の反映を目指し、必ずしも選挙によることなく専門各分野からの推薦によって、院を構成してもいいのではないかと考えます。あるいは衆議院を予算・法律を審議し制定する機能に特化し、参議院を決算・行政評価を行なう議院に特化するなど、より明確な役割分担を実現して、2院制に期待されるチェック機能を抜本的に強化すべきだと思います。

 次に「公の支配に属さない」団体への公金の支出を禁止する第89条を厳格に適用すると、現在の私学助成制度は憲法違反になりかねません。しかし私学助成は多くの人々が認めるところであり、修正が不可欠です。さらに今後のNPO、NGOの活躍やそれらの育成が将来の日本社会の活性化に繋がる可能性を有していることを考えると、 むしろ一定の公的要件を持った団体への公金支出や民間の寄付金を助長するような条文に改めるべきだと考えます。


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