テーマ(1) 財政再建のプロセス 現在、国、地方合わせた公債発行残高、つまり財政赤字の規模は650〜670兆円であります。これは表に出ているもので、特殊法人の抱えるいわゆる隠れ借金が100兆円近くありますので、合計約750兆円という膨大な金額となります。国の予算は約80兆円ですので、年間国家予算の約9年から10年分が財政赤字として残っている、これは明らかに異常な状況と言えます。 一方では景気の低迷が続いていて、これを打開するためにITを中心とする補正予算が成立しました。この様な対策をもう少し続けないと景気の回復が難しい。景気回復を成し遂げなければ税収が増える。税収が増えれば財政再建が可能となる。そこで、景気回復を最優先しようという考え方があります。これは自民党の中で主流となっています。また、一方では750兆円の借金については、1300兆円ある国民・企業の預貯金の約半分をまわしているのだから問題ないと考えればよいとの意見もあります。 私の意見は自民党内では反主流に位置し、少数意見ですが次のようです。 累積赤字はすでに天文学的数字になっており、その利払いが年間20兆円にも上っています。つまり、年間国家予算の四分の一強が、利払いのために使われていることになります。利払いは毎年毎年黙っていてもとられ、実際に政策経費として使えるお金はその分だけ少なくなるため、このままでは財政の硬直化が高まっていく危険性があります。国の予算をIT関連などに柔軟に使っていく必要があるのに、そういう自由度が予算編成の中で圧迫されてしまうのは好ましくありません。また、1300兆円に及ぶ預貯金残高は、これから少子・高齢化が進み、仮にさらに不景気になっていくとすると、早いスピードで目減りが予想されます。その結果、将来国の借金と預金との逆転現象、すなわち国家の破産となる危惧が十分にあり得ると考えられます。 ですから、これからは財政赤字は絶対に増やしてはいけない。国債発行をできるだけゼロに近づけなければいけません。そして、早めに財政構造改革を行う必要があります。それには助走期間が必要で、例えば2003年から本格的にやろうとしても、実効が上がり始めるのは2005年以降からになります。また、財政再建・財政構造改革を成し遂げるには少なくとも10年はかかるので、10カ年計画を立てて行うべきであります。これは決して不可能ではありません。鈴木内閣のときには、第二次オイルショックの後に5年間で赤字国債発行ゼロを達成できました。ですから、財政再建はいまから始めるべきということが私の主張であります。