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 われわれは革命の経済の中に入ってきました。しかし競争するダイナミックな部分とそれから逃れようとしている部分がまだある。この構造を是非頭の中に入れておいてください。ではいったい日本経済はどのようになってきたのか。少しかいつまんでレビューしたいと思います。
簡単なキーワードで示しましょう。まず最初のキーワード。「2パーセント」です。日本経済、今まだ不良債権などの様々なバブルの後遺症があります。しかしこの後遺症が消えたならば、その時点で日本経済は2パーセント強の成長ができるのです。2パーセント成長ができるのはいい経済です。なぜなら、2パーセントずつわれわれの所得が上がるわけです。物質的生活水準が上がる。すると、35年後にはわれわれ国民の所得は2倍になる。親から子供へといく間に日本人の生活水準が2倍になる。なかなかいい経済だと思いませんか?単純な算数です。2パーセント成長するというのは、毎年所得が1.02倍になるということ。1.02倍の35条は2になるのです。20世紀のアメリカの経済はこの2パーセント成長経済だったのです。だからアメリカンドリームという言葉も自然と受け入れられたのでしょう。われわれ今抱えている不良債権のような問題を克服すれば、2パーセント成長に戻れる。戻るべき道はまずここなんです。
 そして第2の問題。バブルの克服、不良債権の問題、どこまで終えることができたのでしょうか。このキーワードは「70パーセント」です。あるシンクタンクの試算ですが、非常に実感を伴っています。90年代以降に入って大手の銀行は役50兆円の不良債権を償却しました。これだけ銀行の責任は大きかったということです。しかし全部は終わっていません。そごうの問題はもちろんゼネコンの債権放棄の問題がでてきました。ゼネコンが債権放棄を求めるということは、銀行から見ると、不良債権を償却しなければならない。それがいわゆる社会全体のバランスシート調整です。この試算によりますと、大手の銀行は最悪の場合22兆円くらいの不良資産を償却しなければいけないのです。トータル72兆のうちわれわれは50兆の償却を終えた。だからあと70パーセントなんです。
 おそらくこれらはみなさんの実感にもあっているのではないでしょうか。つまり、半分は超えた。山は越えた。しかしこの債権の問題が最終段階に入ったとはいえず、あと30パーセント残っている。おおざっぱに言ってこのバブルの後始末をするのに、あと2年から3年はかかるということです。
 実は今年の後半にかけて経済は間違いなくよくなってきます。大手の企業リストラをやって収益があたっています。企業の収益が上がっていますので、いわゆるキャッシュフローが増加し、これによって設備投資を増やしました。うまくいけば、日本経済も2パーセント成長する可能性も出てきました。ただ、まだ30パーセントの後始末が残っています。ですから明るい部分とくらい部分のせめぎあいが2年から3年続くと考えた方がよい・

 第3のキーワード。「11パーセント」です。今年のGDPにしめる財政赤字の比率です。不良債権の処理を先送りして、公共事業に頼って、政府の赤字をばら撒く形でなんとかここまで支えてきました。日本の財政赤字はたいへんなことになっている。その赤字を今年度についてGDPに対して求めると11パーセント。数字だけだと皆さんもピンと来ないと思いますので、他の国の過去の例と比べてみましょう。
 1980年代当初、アメリカにレーガンが登場し、いわゆるレーガノミクスという政策がとられました。あの時双子の赤字というのがクローズアップされました。つまり財政の赤字と貿易赤字です。一番悪い時のアメリカの財政赤字は、GDPに対して6パーセント台でした。日本は今11パーセントです。1960年代のイギリス、この時イギリスは大変な財政赤字をかかえ、経済はどんどんと弱体化していきました。われわれはこのときのイギリスを「英国病」と呼んだのです。当時のイギリスの財政赤字、GDP比同じく6パーセント台でした。
 ここからが問題です。皆さんの中で財政赤字がひどいため、私はえらい目に会ったという人がいらっしゃいますか?誰もいないと思います。誰も困っていないからこんなに平気で財政赤字をばらまいているのです。数字で確認してみましょう。
 今政府、国と地方は合計で645兆円くらいの借金をしています。しかし、それを補えるくらいわれわれ個人の家計部門の大きな貯蓄があるのです。家計部門の貯蓄は、合計で1300兆円あるのです。言い換えれば、政府の赤字、財政赤字というのは政府部門の負の貯蓄である。民間のプラスの貯蓄があれば十分まかなえますね。今私達は高齢化社会の前にいるので、しっかり貯蓄しているのです。

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