はじめに 卒業生の皆さん、このたびはご卒業おめでとうございます。昨年は作新学院が創立百二十周年を迎えましたが、皆さんは最上級生として、さまざまなイベントに積極的に参加していただきました。このことをしっかり胸に抱いてもらいながら、元気に社会に出て行って欲しいと思います。 さて先日の「院長講話」で皆さんにお話しましたが、あらためて卒業生の皆さんに、はなむけの言葉を贈ります。 自分の夢をあきらめるな 人はみな若い頃夢を持っていますが、それが百パーセント実現した人はごく限られています。私も天文学者になりたいと思いましたが、途中で目が悪くなったりであきらめかけていました。 ところが国会議員になってから日本がハワイの火山の頂上で世界一の「すばる望遠鏡」を建設する計画を知りました。学者になる夢はだめでしたが、彼らの研究を助けることは出来ると思い、この計画を強力に後押しして、十年後に完成させました。あきらめなかったから夢の半分が実現したのです。 半分でも私にとってはとても感動でした。だから皆さんも決してあきらめないでください。 チャレンジ精神を忘れるな 昭和二十年代に生まれた同級生は日本全国で二百八十万人もいました。いわゆるベビーブームです。ところが今一年間に生まれる子供はわずか百十万人ちょっとです。皆さんの同級生はピーク時の約半分くらいでしょうか。 ですから皆さんはかつての半分の人口でこの日本を支えていかなければなりません。そのためには二倍働くか、いろんな智慧を絞って効果的に働かなければ、いまの豊かさを維持していくことが出来ません。 こういう時代だからこそ、皆さんには是非定期航路の人生ではなく、コロンブスやマゼランのような海図のない「大航海時代」を再現して欲しいのです。 お金で買えないものを大切に 「ITベンチャーの旗手」とか「時代の寵児」と騒がれたライブドアのホリエモンが、とうとう証券取引法違反で捕まってしまいました。その著書に「人の心はお金で買える」と挑戦的な言葉を並べ、現代の若者の代表を気取っていたホリエモンですが、ルール違反を犯しては全ての信用を失ってしまいます。かなりきついお灸でした。 私の知り合いでやはりベンチャー企業を起こして失敗した人から聞きましたが、人間は百億円稼いだら次は三百億、三百億稼いだら次は五百億とどんどんエスカレートして、お客様へのサービスなど考える暇もなくなるようです。恐ろしいことです。だから皆さんには今のうちから、「お金で買えないものが一番価値がある」ということを、皆さんの頭にしっかりとインプットしてもらいたいのです。 皆さんのご活躍を祈っています。