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あらためてマスクによる飛沫拡散防止を問う

 新型コロナウイルス感染症が第4波を迎えたが、政府は東京・大阪をはじめ3回めの緊急事態宣言により、新規感染者数を抑え、医療態勢の逼迫を乗り越えようと必死になっている。特にこの波は、感染力と重症化率の高いと言われている「変異ウイルス」によりもたらされたものであり、より深刻な状況である。

 こうした中で国民の間には自粛疲れなどで、飛沫防止に一定の効果のあるマスクの着用が、少し乱れてきた感がある。また街中では、周囲から注意されてもマスクを着用しないという、確信犯的な一部の若者もいるという。これから暑い季節を迎えて着用率が下がる可能性もあるため、ここでもう一度マスクの着用、とりわけ正しいマスクの着用を徹底することが極めて大切だと思っている。

 具体的には以下に述べるような法律を作り、これまではマスク着用が「マナー」であったところを「ルール化」することを政府に提案した。国会の会期末も近付き立法作業も困難を極めているため、実現は難しいと思われるが、この趣旨をしっかりと踏まえて、公共の場所へのマスク未着用者の入場禁止などを定めた政省令を活用し、厳しく対応していただきたい。

【ウイルス性感染症の蔓延防止のための飛沫拡散防止臨時措置法案(仮称)】

1.法の目的
 感染性のあるウイルスを含んだ飛沫を他人に拡散することにより、感染が拡大することを抑制することを目的とする。
*これまでは個々人のマナーに頼っていたが、なお一部の人々が飛沫の拡散を放置して、感染の拡大を助長したり、周囲の人々に脅威を与える行為が後を絶たないため、マナーからルールへの一時的変更を可能とする。
*健康増進法の受動喫煙防止措置のスキームを参考にして、一定の規制措置を定める。

2.目的達成の手段
 公共の場(屋内、屋外を問わず)や、人々が密になる場所(飲食店、スーパー、大型商業施設等)において、飛沫(ウイルスが含まれようと、なかろうと)を拡散させないため、正しくマスクを着用することを義務付ける。
 一方、マスクを着用しなくも一定の距離を保つことにより、飛沫の拡散が感染拡大に繋がらないと認めるときは、この限りではない。
*「マスク」は不織布あるいは医療用マスクを原則とする。マスクの「正しい」着用とは、口と鼻が隠れ、頬などの皮膚とマスクが密着する状態を指す。

3.臨時措置の期間
 政府の緊急事態宣言や蔓延防止特別措置が発出されている期間とするが、自治体の判断により措置期間の前倒しや延長を可能とする。
*宣言などが解除された途端にルールの適用がなくなることは、実態に合わない。また宣言以前から適用することは蔓延防止に有効であるため。

4.新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」)との関係
 特措法では不要不急の外出自粛や協力の要請が、さらに自治体によるマスク着用の周知がなされているが、感染症の蔓延防止という観点において、臨時措置法はこれを補完・強化するものである。
 一方、特措法は人の流れを抑制することを目的とするが、臨時措置法でマスクの着用などを徹底することにより、人流を過度に抑えなくても感染を抑えることが可能となる。

5.臨時措置法における罰則
 公共の場などで、マスクを正しく着用するなど、適切な飛沫拡散防止措置を取らない者に対して、都道府県知事が、飛沫の拡散やそれにより周囲の人々に恐怖を与える行為を止めるよう命じても、なおその行為をやめない時は、30万円以下の過料を科すとともにその氏名を公表する。
 罰則の適用にあたっては、当面は都道府県の警察力を採用する。
(以上)

[ 2021.05.24 ]