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栃木県の緊急事態宣言解除の顛末

 昨年は隣の茨城県、群馬県に比べて、新型コロナウイルスの感染状況が少なかった栃木県で、年末の精神病院などでのクラスター発生が相次ぎ、政府専門家会議が定める7つのコロナ関連指標のほとんどで、ステージ4に到達してしまい、政府に対して緊急事態宣言の対象地域指定を要請した。

 1月13日に他の6府県とともに宣言地域に指定されたのだが、急激な拡大の原因の一つには慢心があったかもしれない。感染拡大が激しい首都圏の隣接地にありながら、関東でも感染者が最も少なく「優等生」と言われた時もあった。飲食やイベントなどの分野での感染防止の取り組みに、少し緩みがあったのではないだろうか。

 しかし宣言地域に指定されてからは、県知事を先頭に感染防止策を徹底して来た。人の集まるイベントの自粛はもちろん、飲食店の夜8時までの時短には、なんと99%の店舗が協力するという驚異的な数字が達成された。あらためて関係者の皆様に感謝したい。

 その結果、去る2月2日夕方の政府の会合で、正式に栃木県は11の緊急事態宣言地域から8日に初めて解除されることが決まった。コロナ感染関連6指標のうち3つがステージ2、3つがステージ3になり、爆発的感染の恐れがなくなったための判断である。私も知事と西村康稔担当大臣とも連絡を取り合い、お互いの調整の結果解除であった。

 しかしここで気を緩めると「元の木阿弥」になりかねない。西村大臣からは解除後も段階的に規制を緩めていくようにとの指示があった。栃木県庁としても飲食店時短の段階的緩和やイベントの制限緩和に向けて検討を行った結果、時短は当面夜9時までに緩和することとした。

 さらにコロナの病床使用率は重症者分も含めて、まだ4に近いステージ3の状況のため、医療体制の一層の充実と新規感染のさらなる低下に、全力を尽くさなければならない。コロナ病床はこれまで337床だったが、県からの要請に応じ、県立病院と民間総合病院の増床により377床となった。病床使用率はかなり低下することが期待できる。

 今回栃木県がコロナ感染防止に示したパフォーマンスは、「栃木モデル」とまでは言えなくとも、全国に向けて大いに参考になるものと思っている。今後も栃木県が感染再拡大を招くことなく、感染防止と経済の再生が両立できるように、県民挙げて努力していかなければならない。

[ 2021.02.08 ]