はじめのマイオピニオン - my opinion -
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クライストチャーチの悲劇

 ニュージーランド南島の最大都市・クライストチャーチの名前を何年振りかに聞くことになった。しかも今回も残念ながら悲惨なニュースである。

 8年前の東日本大震災発生の2週間ほど前、2月22日にクライストチャーチをM6.1の直下型地震が襲い、死者185名を出す大惨事となった。「カンタベリー地震」とも呼ばれるが、市の中心にあったテレビ局のビルが崩壊し、たまたま留学関係の会議で居合わせていた日本人学生などが28名も犠牲となった。耐震性の低い違法建築ではないかと騒がれたが、責任の取り方は曖昧になっていたかと記憶する。

 そして今回は、市内の2つのモスクにおいて、4人組の犯人グループが銃を乱射し、49名が犠牲となるニュージーランド最悪の無差別テロとなってしまった。天災と事件という違いはあるが、治安の良さ世界第2位と言われる同国で発生した無差別テロに対しては、世界中が驚き、テロは世界のどこにでも起こりうるという現実を、まざまざと見せつけられた感がある。犠牲となられた方々に衷心より哀悼を申し上げなければならない。

 犯人グループの実像はまだ明らかになっていないが、はっきりしているのは、宗教の違いや民族の違いを受け入れられない、偏狭な思想の持ち主が起こした惨事だということだ。2001年9月11日の米同時多発テロや、それ以降に起こった事件と同様な底流があると思われる。

 さらには自国の利益のみを優先し、国際協調主義に背を向けるようなポピュリズム政権が、各国で誕生していることも遠因としてはあるのだろう。2020年東京オリンピックまであと500日を切ったところである。治安の良さ第9位の日本ではあるが、絶対にテロは起こさせてはならない。

[ 2019.03.18 ]