はじめのマイオピニオン - my opinion -
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第2回山の日記念全国大会に思う

 去る8月11日、栃木県那須町で山の日記念全国大会が開催された。昨年の第1回目が上高地で開催され、今回が2回目となる。全国の山岳関係者や超党派の議員連盟が力を合わせ、昨年は祝日法を改正して、「山の恩恵に感謝し、山に親しみ、山を守るための祝日」として、8月11日を16番目の国民の祝日とした。

 直接の切っ掛けは栃木県出身の作曲家・船村徹先生が、生前何気なく発した言葉からである。「海の日があって、山の日がないのは、変だっぺ」という栃木訛りは、多くの人々の心を動かし、足を動かしたのである。当初は旧盆休みに入る12日を想定していたが、この日は日航ジャンボ機が墜落して32年目であり、今もなおご遺族をはじめ御巣鷹山に慰霊登山されている。よってその前日となった。

 我が国は国土の70%が山であり、我々は山からの限りない恩恵を受けている。美味しい空気、清らかで豊富な水、豊かな森林資源、キノコや山菜などの美味しい食べ物など、数を挙げればキリがない。ふるさとの山を見たり思い出したりして、志をたくましくする人も多い。

 また山の力は海にも通じる。漁協や漁師さんたちは、よく山に入って木を育てている。それは健康な山がミネラルや栄養たっぷりの水を海に流し、海洋生物の生育によい影響を与えるからだ。「海の日」と「山の日」がようやく揃った意義は大変大きい。

 しかし一方、山が牙を剥く時はとても恐ろしい。今年3月地元高校山岳部の生徒たちが、那須岳の麓で新雪のラッセル訓練をしていたところ、突然雪崩に巻き込まれ、8名の尊い命が奪われた。2年前の木曽駒ヶ岳で突然噴火が発生し、50名を超える登山客が亡くなった。

 我々は、山の恵みと恐ろしさを再確認しつつ、来年の第3回を開催する鳥取県大山にバトンタッチする。

[ 2017.08.14 ]