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憲法審査会、ようやく再開

 昨年6月の衆議院憲法審査会において、参考人質疑が平和安全法案をめぐる政局に利用され、1年半にわたって審議凍結を余儀無くされたが、ようやく先週から衆参両院で再開の運びとなった。衆議院ではまず憲法制定過程やその役割、また次の週では立憲主義や違憲立法審査など、まだまだ抽象的なテーマしか扱えないが、実質的な議論が始まったことは、一歩前進である。

 しかしこの後の審議を進めて行く上で、自民党は平成24年の改正草案を持ち出さないとした一方、民進党などは平和安全法制の違憲性を認めろと、なお主張が対立しており、改正テーマの絞り込みには今後曲折が予想される。さらに民進党からは天皇退位の議論をめぐって、憲法と皇室典範の関係を議論すべきとの、新たな課題を持ち込もうとしている。

 私が当審査会の筆頭幹事をつとめていた時には、自公民維4党が考える改正テーマをそれぞれ自由に述べてもらったところ、①環境権をはじめとする新しい人権 ②財政規律 ③緊急事態条項の追加がほぼ共通項で述べられている。今後はこれらをテーマとして絞り込んで行くことが良いのではないか。

 また今後の憲法論議が停滞しないためには、政局に絡めず、政局から一定の距離をおいて、静かな環境出来るようにすることが何よりも重要である。審査会に関わる全ての議員が、努力を行うべきである。

[ 2016.11.21 ]