はじめのマイオピニオン - my opinion -
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参議院選挙結果を受けて

 7月10日に投開票を迎えた参議院通常選挙は、自公連立与党の圧勝に終わった。3年半続けてきたアベノミクスへの評価とともに、今回の注目点は、改憲勢力で3分の2の議席を獲得するかどうかであった。

 自民、公明、おおさか維新、こころの4党に加え、改憲に前向きな無所属議員を加えると、ようやく3分の2議席を獲得することとなり、衆参両院で改憲発議のハードルがクリアされたかに見える。

 しかしだからと言って一気呵成に改憲に突っ走れるわけではない。まずは改憲内容に各党の開きは大きく、話し合いや調整によって、その絞り込みを図るところから始めなければならない。また公明党は性急な改憲には難色を示しており、「加憲」という手法にもこだわりを強く持っている。

 さらに、おおさか維新がそれこそ「威信」をかけて住民投票で信を問うた大阪都構想が、僅差で否決されたこと、英国のEU離脱の国民投票でも、これまた僅差で離脱が残留を上回ったことは、我々の記憶に新しい。

 事前の予想が良かったり議会の多数を握っていたりしても、国民投票では思わぬ結果をもたらすことを覚悟しなければなるまい。だからこそ我々は野党、とりわけ第一党の民進党とは真摯な話し合いを続け、たとえ反対であっても、最後までテーブルについていてもらうことは不可欠だ。

 これまでの憲法論議においては、手始めに改正すべき箇所として、緊急事態条項の付加、とりわけ災害時における国会議員の任期の特例や、参議院の県代表としての機能を維持するため、一票の格差是正に例外を設けることなどが挙げられている。

 しかしその中身については、各党間で何ら合意したものはなく、白紙の状態で議論を始めることになるだろう。3分の2は憲法改正にとって「追い風」にはなるだろうが、決して「神風」ではないことを、我々は銘記しなければならない。

[ 2016.07.11 ]