F-Project.web 自由民主党 船田はじめ
 
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景気底打ち宣言は出したが
 

[2009.7.6]
 6月の政府の月例経済報告にあわせて、与謝野経済財政担当大臣は、日本経済は「底打ちした」との見解を発表しました。「底打ち」とは景気はこれ以上悪くならないということで、今後は好転していく意味なのでしょう。
 たしかにこれまで4回にわたる大型の景気対策によって、国費(真水)では26兆円、事業規模では130兆円が投入され、その効果が少しずつ表れています。鉱工業生産は4月から3ヶ月連続プラスとなり、株価は1万円台を回復しました。料金が引き下げられた高速道路利用台数はゴールデンウィークに1.2倍、ハイブリッド車の売れ行きは減税と補助金の効果で1.3倍、省エネ家電はエコポイントの効果で1.2倍になっています。
 立ち直りの早かった中国をはじめ、アジア向け輸出が好調なこと、昨秋の景気後退期に生産水準を早めに下げたために、思ったほどは在庫が積みあがらなかったことなども、今回の「底打ち」宣言に影響しているようです。
 しかしながら中小企業や非製造業の景況感は依然として厳しく、また景気の「遅行指標」といわれる雇用関係の数字もなお厳しいものがあります。具体的には、完全失業率は過去最悪の5.5%に近い5.0%、有効求人倍率も過去最悪の0.46に近い0.48であり、今後はこの数字を少しでも好転させることが課題となります。
 対症療法としては利用率の高い「雇用調整助成金」を現行の8割から9割に拡充することや、雇用保険を受けていない職業訓練期間中の人に対して、月10~12万円の「訓練・生活支援給付金」の支給などを実行していますが、やはり根本的には一定のスピードで景気回復を果たさなければなりません。
 また今後も国際・国内要因によっては、景気の「底割れ」懸念もないわけではありませんので、私たちは注意深く景気動向を見つめ、いざというときは更なる景気対策を果断に実施することを躊躇してはなりません。


骨太の方針と概算要求基準
 

[2009.6.29]
 先日は自民党総務会で、3日間かけて「経済財政運営の基本方針2009」いわゆる「骨太の方針」がようやく決定されました。これは来年度の予算編成を行う上で、政府が各分野にわたり基本方針を決定する文書です。ここでの書きぶりによって予算の増減が左右されるわけですので、政府が決める文章ですが、与党の要望を盛り込むために、関係議員は必死に働きかけを行います。
 今回問題になったのは、2011年にプライマリーバランスを達成すべく歳出削減を打ち出した「骨太2006」について、その前提が崩れたわけだから、「『骨太2006』を踏まえ・・・」と書かなくてもいいのではないか。またそこに書かれていた「社会保障費の自然増(約8000億円)を毎年2200億円削減する・・・」という約束を、今回は踏まえてはいけないという意見が多くの議員から出されました。
 たしかにこれまでの社会保障費の圧縮によって、診療報酬の実質引き下げや高齢者医療制度における自己負担の導入、また地域における深刻な医師不足など、「医療崩壊」ともいえる状況が生まれてしまいました。これらを考えると、社会保障費の抑制策はもはや限界であり、2200億円削減は撤回せよという主張は当然です。私も総務会で同趣旨の意見を述べました。
 しかし一方で、「骨太2006」のなかには他の多くの項目における削減や抑制方針が述べられており、これを削ることには異議を唱えました。なぜなら、如何に選挙が近いからといって、財政再建の旗印まで降ろしてしまうのは、余りにも無責任と考えたからです。
 この結果、総務会では「骨太2006」は残ったものの、2200億円の削減を今度は行わず、自然増はそのまま計上することが決まりました。私たちは来年度予算編成において、ほころびの出ている社会保障制度の修復に全力で取り組む環境をつくることができました。


景気底打ち宣言に思う
 

[2009.6.15]
 与謝野経済財政担当大臣は去る6月17日に発表した「月例経済報告」で、「今年の1〜3月期で日本の景気は底を打った」と宣言しました。「月例」はその時々の景気の状況を、政府の立場から判断するものです。昨年9月のリーマンショック以来、世界同時不況の大波に飲み込まれ、「つるべ落とし」のように経済活動が急速に縮小してきましたが、今回の宣言はその縮小がようやく止まって、最悪期を脱したという意味合いがあります。
 たしかに鉱工業生産指数は過去数ヶ月にわたり上昇を続け、株価も8ヶ月ぶりに1万円の大台を回復しています。政府の見立てにはこのあたりを重視したことが反映しているようですが、一方で消費水準はまだまだ低い状況ですし、景気の遅行指標といわれる失業率や有効求人倍率は、最悪期を脱したとはいえません。油断をすると二段底にもなりかねませんから、「底打ち」を宣言した政府としても、なお細心の注意を払って景気動向をウォッチしていくべきですし、もし失速するような事態になったら、もう一段の景気刺激策を躊躇なく講ずるべきです。
 今回の急激な景気回復には、いくつかの要因があります。ひとつはいうまでもなく、昨年秋からの4度にわたる景気対策が効果を表しつつあることです。中小企業ばかりか中堅・大企業の資金繰りに対して大型の金融支援をしたこと。定額給付金はさておいても、高速道路料金の引き下げや、省エネ家電のエコポイント、エコカー購入時の大幅減税と補助金の効果は大きいものがあります。
 ふたつめには昨年秋の景気後退期に、多くの企業が生産水準を早めに落として、在庫が積みあがるのを回避したことです。そのために非正規雇用の切捨てなど雇用不安が一気に広まったことは大変遺憾なことでしたが、景気回復がその分早くなったことは否定できません。三つめにはアジアの市場が比較的元気で、特に日本円で60兆円以上の大型景気対策をいち早くとった中国の景気回復に、日本の市場も引っ張られていることでしょう。
 私も16年前は、与謝野大臣と同じ立場の経済企画庁長官として、「月例経済報告」をとりまとめ、閣議に諮り公表する役割を担っていました。当時はバブル崩壊以後の長引く不況からいつ脱却するのか、大変注目されていました。平成5年の5月の「月例」で景気底入れ宣言を、と事務方から示唆がありましたが、まだまだ消費と雇用情勢が弱含みだとして、私の判断で1ヶ月見送った経緯がありました。財政当局は新たな財政負担を嫌いますから、なるべく早く回復宣言を出せという立場です。それに待ったをかけたという構図です。
 ところが今回の宣言をした与謝野大臣は、経済財政担当であると同時に財務大臣も兼ねていますので、今回の宣言が前者の立場か後者の影響が強いのか、あまりはっきりしません。また最近では常識となった「財政と金融の分離」という考え方からは、与謝野大臣が金融庁長官をも兼務しているのは、あまり望ましいことではありません。今後正常な景気判断と適切な財政運営をしていくためにも、私は一日も早く3大臣の兼務を解くべきだと考えます。


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