F-Project.web 自由民主党 船田はじめ
 
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62回目の終戦記念日
 

[2008.8.18]
 「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という有名な言葉があります。あの太平洋戦争の終戦から63年が経ち、終戦記念日も62回を数えることとなりましたが、悲惨な戦争の実態はまだまだ全容を現していませんし、戦争の歴史に学ぶことはまだまだ多いように思います。
 8月15日前後には、毎年恒例になっていますが、戦争を振り返る特別番組や、戦争の体験談を集めた番組が何本かメディアに流れます。ことしもすでに拝見しましたが、いつもより少ないような気がします。わたしたちの世代は戦後生まれですが、かろうじて戦争の記憶が鮮明な時代に生まれ育ちましたので、まがりなりにもそのDNAが受けつがれています。ところが昭和40年代や50年代生まれの若い人々は、戦争体験や映像を直接見聞する機会が少なく、DNAがきちんと伝わっていないようです。そのようなテレビ番組が減ってしまったら、余計にこの傾向は強くなってしまうのではないかと懸念しています。
 若い人々や子どもたちに戦争のおろかさや悲惨さを伝えるには、学校での歴史教育が最も効果的です。ところがここでも、学力の低下を防ぐというかけ声によって、基幹科目は授業時間数を増やせますが、歴史教育は決して増えません。むしろ削られる対象になりかねません。授業時間がすべてではありませんが、やはり日本の近現代の歴史は時間をかけてじっくり教えるべきではないでしょうか。
 また学校での歴史教育は、ほとんどが石器時代からはじまり、時代を下りていくことになっています。そして多くの教師は明治維新まではたどり着きますが、そのあとの近代日本の発展と挫折については、時間切れになることが多いのです。奈良時代や鎌倉幕府も大事とは思いますが、なぜあのような戦争に突入してしまったのかを教えることのほうが、もっともっと大事なのではないかと思います。歴史の先生に大きな声でお願いしたいと思います。


雨のゲリラに気をつけよう
 

[2008.8.11]
 今年の梅雨は全国的に雨の量が少なかったようです。場所によっては、7月の雨量が平年の1割とか2割に過ぎないというケースもありました。日本の梅雨といえば、しとしとと際限なく降り続けるのが定番でしたが、最近はそれに替わって、雷を伴い局地的にザーッと降る、夕立タイプが目立ってきたようです。
 これも地球温暖化の影響なのでしょうか。たしかに東南アジアに旅行したときに、同じような「スコール」に何回か出くわしたことがあります。温暖化によって日本の位置が、緯度にして10度から15度南に下がってしまったと考えれば、この現象をうまく説明することができると思います。
 去る8月5日には、東京のど真ん中で、下水道の付け替え工事をしていた作業員が5人流されて、犠牲者が出てしまいました。大雨時の避難マニュアルが不徹底であったり、現場監督の指揮が不十分だったりしたことが原因として挙げられていますが、基本的にはこれまで経験したことのない雨の降り方があるのは明らかです。
 このような「ゲリラ的な大雨」に対応するには、ソフト面でもハード面でも従来のようなやり方では対応できないと思います。気象庁が「異常気象」というとき、過去30年間に起きなかった激しい現象を指すようです。河川の護岸工事でも、過去30年で最大の水量に耐えられることを基準としてきましたが、これからは「過去最大」を基準にしなければならないと思います。
 地球温暖化の影響といっても、まだまだわたしたちの生活から遠い存在と思われていますが、今回の事故はわれわれの目の前に迫っているということを、如実に示してくれたのではないでしょうか。「地球温暖化対策は明日からでは間にあわない」という政府広報のスローガンは、決して大げさなものではありません。


もうひとつの「ドーハの悲劇」
 

[2008.8.4]
 何年か前に、中東のカタール国の首都ドーハで開催された、ワールドカップサッカーアジア予選で、日本の代表チームがまさかの敗北を喫して、本線に出られなかったことがありました。これをのちに「ドーハの悲劇」と呼び、日本サッカー界の反省と奮起の原点にしました。もうひとつ、先週のWTO(世界貿易機関)のドーハラウンドが、10日間にわたる閣僚折衝を経たにもかかわらず、ついに決裂したことが第二の「ドーハの悲劇」と呼べるのではないでしょうか。
 世界各国はこれまで長いこと、各国の貿易品やサービスについての関税を引き下げて、できるだけ自由な貿易の市場を実現して、経済の繁栄を図ろうと努力してきました。GATT(関税と貿易に関する一般協定)という組織がその最初で、包括的な交渉をはじめた都市の名前をつけて、「東京ラウンド」そして「ウルグアイラウンド」と呼び、それなりの成果を挙げてきました。今回はその後継組織となったWTOが、交渉のキックオフをおこなったドーハの名前にちなんで、「ドーハラウンド」と称して、自由貿易の実現に向けて、更なる合意を目指していたのです。
 端的にいえば、工業製品をつくっている先進国側は、途上国の輸入関税をできるだけ引き下げるべきと主張し、農産品を作っている途上国は、先進国の農産品関税を引き下げろと主張するのです。しかし実際はもっと複雑で、先進国の中でもアメリカやオーストラリアなど、農産品を大量に輸出する国々もあり、途上国でも食糧を輸入しなければ生きていけない国もたくさんあります。それらの複雑に絡む利害関係を、丁寧に処理していかなければならないわけです。
 今回の決裂の原因は、先進国の農産品輸入に関わる関税をどの程度下げるのか、食糧輸出を続けるアメリカなどの輸出補助金をどのくらい減らすのか、そして食糧輸入国が国内の農業を守るためのセーフガード(緊急輸入制限)をどの程度認めるかなどで、包括的な合意が見られなかったためです。日本もふくめて各国がぎりぎりの譲歩をしていきましたが、最後はアメリカと中国、インドの話し合いが暗礁に乗り上げて、全体の話し合いをとめてしまいました。
 日本はすでに、工業製品にかかる輸入関税はゼロに近いのですが、農産品に関してはコメなどの重要品目について、高額の関税を残しています。国内の農業を守るためには必要な措置ですが、今回のラウンドでは重要品目の数を大幅に減らしなさいという注文がつきました。日本としてはぎりぎりの削減案を提示したところですが、その段階で全体の議論が頓挫してしまったのです。自由貿易を拡大しようという大きな目標からみれば大変残念ですが、自給率向上を目指しているわたしたちとしては、農業分野についてはいくらかほっとしているのが正直なところです。
 交渉の要であるアメリカは、大統領選挙を今秋控えており、新しい政権が完全に機能するまでに半年以上かかります。また各国とも仕切りなおしを迫られることは必至で、ドーハラウンドの交渉再開まで相当な時間がかかりそうです。わたしたちは工業分野と農業分野更にはサービス分野のあいだの調整を、もっと冷静に周到に準備して、満を持して次回以降の交渉に臨まなければなりません。


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