F-Project.web 自由民主党 船田はじめ
 
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議事録の不存在
 

[2012.01.30]
 昨年3月の東日本大震災発生後に起こった様々な現象は、日本にとって前代未聞のことが多かった。特に原発事故は一刻の猶予も許されない事態が続き、政府の担当部署の緊張が限界に達していたことは、想像に難くない。

 そうした中、総理官邸に置かれていた「原子力災害対策本部」をはじめとして、10近い災害対策関連の重要会議の議事録が作成されていなかったことが、最近になって明らかとなった。議事の概要すら作成されなかった会議もあったという。

 たしかに議事録を作成することも後回しにしなければならないほど、緊迫して余裕がなかったといえば、許されてしまうかもしれない。しかし未曾有の大災害にわが国が、政府がどう対応してきたか、その詳細が残らなくなってしまったことは、大きな損失と言わざるをえない。関係者の脳裏から消えないうちに、後追いでもいいから概要でも作っておくべきではないだろうか。

 ところでこのような「凡ミス」が何故起こったのだろうか。私は、当時の菅政権が「非常時」においても「平時」の時の対応をしてしまったためではないかと考える。「平時」の対応では、刻一刻と変化する事態に対応がどんどん遅れていく。遅れれば遅れるほど余裕がなくなり、議事録など作成する余裕がなくなっていくのは当然だろう。

 もしここで「非常時」の対応をしていれば、権限が一箇所に集まり、余計な手続きや段取りは省略され、変化する事態に余裕を持って対応することが可能となったはずだ。議事録もしっかり作成することが可能だろう。
 欧米諸国の政府は、「平時(ピースタイム)」と「非常時(ウォータイム)」を適時に切り替える法制度やシステムを持っているところが多い。隣国との戦いが日常だった過去の歴史から学んだ智慧だったのだろう。しかし大規模災害が多い日本では、この智慧を最も良く学ばなければならないはずだ。

 自民党本部では間もなく、「非常事態法制」の研究が始まろうとしている。場合によっては憲法改正まで必要になるかもしれない。遅きに失しているかもしれないが、我々はこの度の大震災の教訓として、大いに学ばなければならない。


東大の9月入学
 

[2012.01.23]
 東京大学が昨年から検討してきた入学時期をめぐる検討会で、先日中間報告が発表された。新入生の入学式を9月に実施するというものだ。高校卒業後半年間もブランクが生じるという不都合が生じるが、むしろこのブランクを活用して社会体験を受けさせ、大学生としての目標を自覚させるメリットを、検討会は強調している。

 天下の東大がこの制度を実施すれば、おそらく多くの国立・私立大学は追随するに違いない。となれば企業側も就職活動の解禁時期や、採用の手続きをこれに合わせて変更することにやぶさかではないだろう。制度導入時には、半年間の入学金や授業料収入が入らなくなり、私立大学などでは経営を圧迫するかもしれないが、一過性のものであり、対応は十分に可能だろう。

 9月入学はこのようなメリットがあるが、私はこれはむしろ二次的な効果だと感じている。9月入学の本当のメリットは、欧米やアジアの多くの国で採用している9月入学に合わせることにある。

 ところで既に多くの大学では「セメスター制」といって、半年で単位取得が出来る授業設定をしているため、留学生が9月入学をすることは、実質的に可能である。しかし普通の日本人学生が入学するのは、やはり4月が圧倒的である。また9月入学となると、日本国内の様々な社会的スケジュールと合わず、不都合が生じることが多い。9月入学に統一すれば、このデメリットは解消される。

 欧米などの9月入学にあわせることは、それらの国々からの優秀な留学生を日本に引き寄せることが出来る。また逆に日本の学生が欧米に留学しやすくなることになる。最近は日本の学生が、なかなか海外に留学しなくなったとささやかれている。またアジアの優秀な学生は日本をパスして、欧米の大学に留学してしまうといわれて久しい。これでは日本の「知の蓄積」はどんどん薄れてしまう。「科学技術立国」など絵空事となってしまうだろう。

 優秀な留学生の交流は、もちろん9月入学によってのみ増えるわけではない。留学生に対する学資金の援助や、生活環境のサポートを充実することもとても大事である。しかし4月入学よりは条件はずっと改善するに違いない。このような改革を実行するためには、大学関係者のみならず、社会全体が協力していくことが不可欠だ。


増税に突き進む野田改造内閣
 

[2012.01.16]
   1月13日に発足4ヶ月を迎えた野田内閣が、中規模の改造を行った。昨年参議院で問責決議が可決された、一川防衛大臣と山岡国家公安委員長を交代させたうえ、岡田元外相を「税と社会保障の一体改革」担当の副総理として処遇するなど、消費税増税に向けて大きくシフトした陣容となった。

 2月には復興庁が正式に発足して、小規模の改造も予定されているが、野田改造内閣が本気で復興作業を進めるのかどうか、国民の多くは疑問を抱いている。この様な時期に「増税はないだろう」と、多くの新聞は被災地の怒りの声を拾っている。

 基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるための財源を捻出することなど、当面の財政の穴埋めをすること。さらには国・地方を合わせて1000兆円になろうとしている公的債務をこれ以上増やさず、縮小に向けて歩みだす必要性は、自・公をはじめ野党も十分に認識している。現に自民党は一昨年の参議院選挙当時、消費税10%を公約しているくらいだ。
 
 森元総理大臣が「協議には参加すべきだ」と発言されるなど、自民党の有力者からは民主党の呼びかけに応じるべきとの意見が出始めているが、私は自民党執行部に対して、協議に応じる前提条件をもっと厳しく、強く主張して欲しいと思う。
 
 具体的にはまず、長引く不況のもとで国民に新たな負担をお願いするからには、国会議員の定数削減と公務員の削減を明確にして、「自ら身を切る」努力を示すべきということだ。定数削減は一票の格差是正とも絡み、国会の中で合意を得ることはかなり時間がかかる。だとすれば当面、国会議員の歳費を2割カットすることで、意気込みを示すことは出来るはずだ。
 
 もうひとつは、いわゆる「弾力条項」を厳格に規定し運用すべきことである。不況下で増税すれば、益々景気回復の足を引っ張ることは明らかだ。消費税アップの時期は景気動向を慎重に見計らって、例えばGDP成長率が年率で安定的に2%を超えてはじめて実施することを、条項に明記すべきではないか。但し民主党政権が続くかぎり、2%成長は永遠に来ないかもしれないが。

 昨今の自民党執行部の言動を聞いていると、増税反対でごねているような印象を国民に与える。これでは支持率の回復は望めそうもない。増税実施に至るまでの前提条件をもっと厳しく政府に突きつけて、その実現を約束させるべきである。それが実現してはじめて「話し合い解散」への道も開けてくるのではないだろうか。


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